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12月, 2022の投稿を表示しています

ささやかなクリスマスパーティー

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私の通っている大学に正規留学している日本人は少ない。学部の交換留学生は多いみたいだけど。 というわけで、知る限り私を入れて片手で収まる日本人院生仲間を招待してささやかながらクリスマスパーティーを開催🎄 年齢差はあるものの、皆社会人を経験して大学院に戻ってきた人たち。専攻は全く違うので、他の分野の話を聞くのも楽しいし、どうして大学院に戻ることにしたのか、なぜスウェーデンなのか、それぞれのライフストーリーと今後の展望を聞くのも楽しい。 交換留学だと期間も短いし異文化での生活そのものや語学取得が目的の学生さんも多いので、なるべく英語漬けの生活にしたいとか、日本人同士でつるみたくない、みたいな気持ちもあるだろうけれど、2年が前提だと皆そこまで気負いはない。むしろ暗い冬と長い旅路を乗り切るために日本語で思いっきり話す時間も大事にしている、という感じ。私ともう一人はすでに海外生活が長いので、日本語に飢えている部分もある(笑)なので声をかけたら皆すぐに「行きます!」と返ってきた。 しょっちゅう会うわけではないけれど、旅の仲間がいるのはいいなあ。 ちなみにそんなに広くない部屋なので、勉強机にクロスをかけそれらしく。食器は全部セカンドハンドで揃えたお気に入り!

最初のコースが終了

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8月末から始まった最初のコースが今日で無事終了。 着いたときは日中はギリギリ半袖で過ごせる気候だったのに、あっという間に冬が来て、本日通学時の気温はマイナス10℃。 とても充実した四ヶ月間で、振り返ればあっという間だった。 読んだ論文/文献は最終的に104本/冊。 他に海外で高等教育を受けたことがないので比較対象がないのだけれど、おそらくアメリカよりは緩いのではないか…?という当初の印象はあまり変わらない。その分脱落させず、かつペースを保ってコンスタントに学べる授業設計だったように思う。とはいえ最後の1ヶ月は大体中三日ごとに5〜7本読んだので流石にちょっと息切れした。 勿論大学や専攻によって多少の違いはあると思うのだけど、学期初めにあった留学生向けのガイダンスセミナーによると、スウェーデンの大学教育は学生の自主性に任される部分が大きいとのこと。 そのガイダンス通り、私はtaught masterにも関わらず授業は基本的に週に2、3回のペースで、あとは自習に大きく依存している。この3ヶ月はすべて必修で計6人の先生が登場したが、SPSSを教えてくれた一人を除いてどの先生も懇切丁寧に教えてくれるというわけではなく、道先案内人という感じ。基本的な理論の概要と分野の発展、特に古典はレクチャーがあるが、それに対する反論や学術的な議論の流れは文献リストが提示され、それを読んだ上で生徒同士でディスカッション→試験なりエッセイ、という形。ディスカッションは学生同士なので文献とは違う方向に議論が展開することや、必ずしも深まらない場合もあったが、それはそれでよし、という感じのようだった。まあ正解のない分野なので、必要最低限がクリアできていれば良いのだろう。 私の専攻は分野横断的かつ現在進行系な領域なので、4ヶ月では到底何かをわかった!と言える次元にはなく、主要な関連分野の概観を掴み、超古典は最低限把握し、その上で今現在どこにどのような議論が存在するか、大まかなマッピングが完了、という感じだろうか。 ハナから一人で手に負える領域ではないのはわかっていたけれど、やはり広大だなあ〜というのが今の感想。 年明けから始まるモジュールではまた3ヶ月周辺領域を学び、その後にようやく深めるフェーズ、という感じ。いやはや、これを一年でやりきる大学院は一体どんなカリキュラムを組んでい

学生生活のDX

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社会のあらゆることがデジタル化しているけれど、学生生活も例に違わず。私が学生だった頃も流石にPCはあったけれど、今から思えば単なるレポート執筆やネット検索のツールとして、だった。今はもうなんというか、根本的に違う!システムとしてあらゆることがデジタルで完結するようデザインされている。流行りの言葉で言えばDXなのだろうけれど、こちらの大学にとっては既に当たり前のことなので、transformationというよりは単なるデジタル化された学生生活、と言うべきなのかもしれない。 日本の大学と同じなのか違うのかわからないのだけれど、概要をまとめておく。 【授業関係】 基本となる学生向けの授業用ポータルがあり、先生方とのコミュニケーションは原則このポータルを通じて行われる。このポータルが要。履修登録をした授業が全て管理でき、授業の資料や課題は全てここにアップされる。DLも可。 例えば休講や授業時間の変更などの業務連絡もこのポータル経由。ちなみに使い勝手は悪いが携帯用アプリも有、通知が出るので、一応業務連絡を見逃さないようにインストールしている。 時間割もデジタル、自分のカレンダーアプリに同期可。 学生用eメールは付与されているが、内部ではほとんど使わない。(禁止されているわけではなく、先生方と授業以外の要件で個別に連絡を取る必要がある際は今のところメールを希望する先生が多い) 基本的に全部の教室に天井から吊り下げプロジェクターが設置されている。 今のところホワイトボードを使うような授業はあまりないが、ある場合には電子黒板は特になく、写真を取ってポータルから共有された。 余談として日本ではコロナ禍で動画を収録して配信した先生も多かったようだけれど、今のところそういった類の収録動画はない。例えば米国の大学図書館や先生方が作成してアップされている動画がシェアされることはあるけれど、数としては少ない。 【文献】 私が学生だった頃から比べて一番デジタル化を実感するのは文献。基本的に大学が契約しているあらゆるデータベースに自分の端末からいつでもどこでもアクセスできる。 授業で使うような論文は著名ジャーナルに掲載された論文が多いので、基本デジタルで入手できる。 紙しかないものでも図書館に所蔵されていれば借りたり、無料で図書館の複合機から自分でスキャンし、自分のメールアドレス宛にファイル送信で

コロナ禍でスタートした一学年上の学生たち

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先週金曜日に一学年上の生徒と飲み会があった🍺 といっても、我々の学年が17人のうち11人参加したのに対し、上の学年は20人中3人。修士なのである程度個人主義でもおかしくないのは横においても少ないな〜と思いきや、上の学年はあまり仲が良くないのだという。というよりも、仲良くなるきっかけを掴めなかった、というべきか。 スウェーデンはロックダウンを行わず 緩やかなコロナ対策措置を取った こともあり、2021年8月末入学の一学年上の生徒たちも授業自体は原則対面でのスタートだったそうだけれど、実際にはハイブリッド型での運用が多く、最初のセメスターは個人の事情に応じてクラスメイトには会ったり会わなかったり。結果として特定の仲良くなったクラスメイトを除いて特に関係を深めないままに今に至るとのこと。今はもうちょうど修論のテーマを出して更に個人作業に入る時期なので、今更…ということなのだろう。 それに対して我々の学年は、さすがに全体で和気あいあいという程ではないけれども、この3ヶ月で全員の人となりは大体把握しているし、クラスのチャットなんかも頻繁にやり取りがあり一体感はある。やはり最初から全員対面で密度高くグループワークを含めて授業に参加してきたというのは大きいんだなと実感。 コロナの影響は他にも。 上の学年の出願時期はEU域外出身者は2020年冬、EU域内は2021年6月頃なので、そもそもコロナの見通しが不透明だった頃。結果半数がスウェーデン人、半数が大陸欧州出身で、EU域外出身者は2名と我々の学年に比べて多様性がない。コミュニケーションという領域を学ぶにあたってこれは大きな損失だと思う。 不可抗力で仕方のないことだけれど、一学年ずれただけで本当に相当違う学生生活だったんだなあ…と現実を突きつけられたのでした。 ドイツ人のクラスメイトがニコラウスの日🎅(12/6)でクッキーを焼いてきてくれた。

大学のセキュリティ問題

宮台教授が刺された事件を受けて、とある日本の大学教員の方がTwitterで、今はシラバスはオンライン公開されているので部外者でも簡単に教員の担当時限と居場所がわかる、と呟いて問題提起されていた。 それを読んで、言われてみればこちらは違うなと思ったので、参考までに私が通う大学(院)のケースを書いておきます。スウェーデンは総合的には治安は良いんですが、言われてみたら日本の大学よりセキュリティレベルは高いかもしれませんね🏫 ・シラバスは大学ホームページで公開され誰でも読めるが、内容は課目名、単位数、授業目的、授業概要、到達目標のみ。 ・担当教員と教室、具体的なカレンダーは「コースガイド」という別資料で、受講登録した学生のみポータルで閲覧可能。ちなみに受講登録の段階では細かい時間がわからない。必修科目は時間割の組み方に自由度がないので、ここら辺は日本とは違うかもなと思う。(ちなみに授業カレンダーはカレンダーアプリに同期もできます) ・キャンパス自体は部外者も入れるが、建物は時間外はロックされていて、解除には学生証と個人で設定したPINが必要。所属学部の建物でないと入れない。時間内は建物には自由に入れるが、教室はロックされていて、やはり登録した学生でないと開けられない。教室を自習で使いたい場合などはポータルから予約制で、予約した時間にならないと開けられない。 ・学生証は無くしたらポータルから遠隔でロックでき、勝手に使えないようにできる。特に紛失の罰則はないが再発行は有料。 ・警備員は特にいない。 こんな感じです。学生証=カードキーは会社勤めしていたらそんなに違和感はないかなと。いずれにせよ私の学生時代とは結構違いますね。