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2月, 2023の投稿を表示しています

異なる視点から

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試験が終わったと思ったら間髪入れずにモジュールの後半が始まった。 後半は前半で扱った領域から掘り下げたいテーマを決め、約一ヶ月で先行研究のレビューをする。 最初は骨子を提出し、三段階で途中先生による個人指導やグループでの評論会を挟んで3月末までに文章に仕上げ、最後はプレゼンテーション。 今日はアサインされたグループで初ミーティングだった。 皆違う専攻から来ているのでバックグラウンドも関心範囲も多様。EU専攻のジョージア人(なんと進学する前は相当ハイランクの政府高官だったそうで、いずれ来るEU加盟に備えて学んでいるとのこと)、社会科学専攻のフランス人(移民背景があり、特にファッション業界におけるポストコロニアリズムと白人至上主義に関心があるそう。めちゃくちゃオシャレ)、ジェンダー専攻のイタリア人(マーケティングの仕事をしていてジェンダーに関心を持ち、キャリアを深めようと進学したそう)。 前半はインプット中心だったので、クラスメイトとこういう話をする機会がなかった。こういう機会は留学の醍醐味でもある。 ただあまりに多様なので、前提知識が違いすぎて皆それぞれどんな論文にしようか話す際にはなかなか理解が大変だった😅 私はフェイクニュースやミスインフォ、ディスインフォを掘り下げようかなと文献のザッピングを開始した。フェイクニュースもミスインフォもディスインフォも無くならないことを前提に、情報リスクに対してレジリエントな社会とはどういう社会だろうか、ということを考えようかなと思っている。 最後は特定のクラスメイトが割り当てられ、論文の評価もすることになっている(査読の練習の観点から)。実はクラスメイトのエッセイを読む機会はなかなかないので、これも楽しみ。

制限時間5時間の筆記試験のゆくえは

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年明けのモジュール、前半はとにかく詰め込みで、授業全14回、リーディングは論文43本に本2冊。その全てを対象範囲とした制限5時間の試験(持込み不可)が今日あった。 このモジュールが始まるまではアメリカほど厳しくないな〜と思っていたのだけども、前言撤回。最初のモジュールは手加減されていただけでした! そんなわけでこの2週間はとにかくひたすら試験勉強をしていた。 持込み不可なのに論述式の場合に大変なところは、細かい点まで覚えていないといけないこと。記憶力の低下した アラフォーには特に人名が厳しい。超有名論文の著者達でMazzoleni & Schulzさんという方々がいるのだけど、どうしてもモッツァレラ&ショルツ(Mozzarella & Scholz)に空目してしまったり…。でもこうやって何か引っ掛かりがあればまだマシで、全く馴染みのない北欧の名前や、何の特徴もない一般的な名前はどの人がどんな調査や実験に基づいて何を指摘したのか、それはどんな論争を引き起こしたのか、という組み合わせまで記憶するのが大変。数人ならともかく、範囲が広いからね。内容は覚えていても、「あ〜ほらほらあの人、アメリカ人で、ミシガン大学の…」となってしまう。 結果的に全4問あり、最初の1問が完全に想定外で答えられず、残り3問しか出来なかったので4時間弱で終了。それでもあっという間に時間が過ぎてしまった。 範囲の見定めは割と得意だと思っていたのだけど、1問目は完全に意表を突かれた。悔しい。そして最後の1問は問題文もたった一行で何のヒントもなく(他の問題文は数行の中に答える方向性のヒントが隠れていたり、個人名は書いてくれていたりした)先行研究に基づいて論じよというもので、なかなか重めだった。関連の論文が(記憶が正しければ)7本くらいあったので繋げて論理を組み立て、それぞれの主張が混ざらないように書きつつ、質問に答えるのに一苦労。 半分取れれば合格ではあるのだけど、完全に一問落としている中どうなることやら。 しかしとりあえず終わってよかった。今晩は長らく飲んでいなかったビールを飲むぞ!🍺

最初のセメスターの成績が出揃った

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8月末から4ヶ月間3モジュールにわたった最初のセメスターの成績が出揃った。 エッセイ4本、筆記試験1つ、グループワーク1つ(グループでテーマを設定し分析+発表+レポート)、先行研究の精読セミナーでのプレゼン2つをこなし、その結果で最終成績が出る。結果は満足がいくものだった。 素直に嬉しい! エッセイは進学するまで書いたことがなかったのでどうなることやらと思った。日本語でエッセイというと随筆とか感想文みたいな印象を受けるけれど、実際は日本で言うところの「レポート」に近い。ただしそれなりのお作法があるので、 この本(下記写真)に救われた。 一番の発見は指示によって想定される内容と構成も変わってくる、という点。例えばdebateせよなのかdiscussせよなのかで求められている内容が違う。この指示語(command)が肝で、知らなかったら指示の語感から自分なりに判断して書いてしまっていたと思う。社会科学系の方で学部留学を経ず(通常は皆学部でこのトレーニングを受けている)院留学する方にはこの本は非常にオススメ。 英語の表現力自体はまだまだ課題はあるとはいえ、フィードバックコメントを読む限り構成力や論理展開、資料の使い方などは共通して評価が高かった。これはすでに日本で修士を出ていることと、実務経験の賜物。 グループワークやプレゼンは実務でチームで仕事をしていたり、英語でプレゼンをしたことがあれば、社会人経験者はおそらく問題はない。というかむしろアドバンテージ。例えテーマがアカデミックに変わろうが、 必要な基礎能力はあまり変わらないんだなというのが確認できたのは大きな自信になった。 新しいセメスターが始まったものの何となくマンネリ化していたのだけれど、おし、引き続き頑張るぞ、という気分。